2026/10/30 20:18

この記事の結論

室内の湿度は、公的基準では「40%以上70%以下」(建築物衛生法)が目安で、厚生労働省は乾燥しやすい室内では加湿器などで「適切な湿度(50~60%)」を保つことも効果的としています。気象庁の平年値で試算すると、加湿しないまま室温20℃に暖房した部屋は、東京・名古屋・大阪・福岡で12〜3月、札幌・仙台で11〜4月に40%を下回ります。

  • 建築物衛生法:相対湿度 40%以上70%以下
  • 学校環境衛生基準:30%以上、80%以下であることが望ましい
  • 厚生労働省 Q&A:加湿器などを使って適切な湿度(50~60%)を保つことも効果的
  • 乾燥シーズン(当店試算):太平洋側・西日本は12〜3月、北日本は11〜4月、那覇は該当なし
建築物衛生法40〜70%、学校環境衛生基準30〜80%、厚生労働省Q&A50〜60%の湿度範囲を並べた図

公的機関が示す室内湿度の目安

相対湿度とは、その温度の空気が含むことのできる最大の水蒸気量に対して、実際に含まれる水蒸気量の割合(%)のことです。同じ水蒸気量でも、気温が上がると相対湿度は下がります。

基準・資料相対湿度対象
建築物衛生法(建築物環境衛生管理基準)40%以上70%以下空気調和設備を設けた特定建築物の居室
学校環境衛生基準(文部科学省)30%以上、80%以下であることが望ましい教室等
厚生労働省 急性呼吸器感染症(ARI)Q&A適切な湿度(50~60%)乾燥しやすい室内

厚生労働省のQ&Aは「空気が乾燥すると、気道粘膜の防御機能が低下し、急性呼吸器感染症にかかりやすくなります。特に乾燥しやすい室内では、加湿器などを使って適切な湿度(50~60%)を保つことも効果的です。」と記載しています。また厚生労働省の換気に関する資料(2020年)では、建築物衛生法の下限40%は、インフルエンザウイルスの不活性化率が最も高い相対湿度は約40〜60%との報告などに基づいて設定されていると説明されています。加湿は対策の一つであり、体調に不安があるときは医療機関に相談してください。

気象庁データで見る冬の湿度

気象庁の平年値(1991〜2020年)では、1月の屋外の平均相対湿度は東京51%、大阪61%、新潟72%です。屋外は意外と低くありませんが、問題は暖房です。冷たい外気を室内で暖めると、水蒸気の量は同じでも相対湿度が大きく下がります。

気象庁平年値による札幌・仙台・新潟・東京・名古屋・大阪・福岡・那覇の月別平均相対湿度の折れ線グラフ

そこで、気象庁の月平均の蒸気圧(空気中の水蒸気の量を圧力で表した値)から、加湿しないまま室温20℃にした場合の相対湿度を試算しました。

都市1月の屋外湿度1月の平均気温1月の蒸気圧20℃に暖房した室内(試算)40%未満になる月(試算)
札幌69%-3.2℃3.4hPa15%11〜4月
仙台66%2.0℃4.7hPa20%11〜4月
新潟72%2.5℃5.6hPa24%12〜4月
東京51%5.4℃4.5hPa19%12〜3月
名古屋64%4.8℃5.5hPa24%12〜3月
大阪61%6.2℃5.8hPa25%12〜3月
福岡63%6.9℃6.4hPa27%12〜3月
那覇66%17.3℃13.3hPa57%なし
気象庁平年値の蒸気圧から試算した、加湿せず20℃に暖房した室内の10月〜4月の相対湿度を8都市で色分けしたヒートマップ

試算方法:室内の相対湿度=屋外の月平均蒸気圧÷20℃の飽和水蒸気圧(約23.4hPa、Tetensの式)×100。人の呼吸・調理・洗濯物から出る水蒸気や換気量は考慮していないため、実際の室内はこれより高くなることがあります。月ごとの傾向を見るための目安です。東京・名古屋・大阪の11月は41〜44%と40%前後で、暖房を使い始める時期から湿度計を見ておくと安心です。

加湿器の設定と湿度の測り方

  1. 湿度計は実際に過ごす場所で見る。学校環境衛生基準でも、測定は教室の机上の高さで行うとされています。
  2. 加湿器の湿度設定は50〜60%を目安にし、40%を下回らないようにする。
  3. 70%(建築物衛生法の上限)を超える状態が続く、窓の結露が増えるときは設定を下げる。
  4. 加湿器の湿度表示は目安です。ダイニチ・パナソニックの取扱説明書も、家庭の湿度計と表示が一致しないことがあるとしています。

湿度が上がらないときに確認すること

  • 部屋が適用床面積より広すぎないか(ダイニチ・パナソニック取扱説明書)、窓や戸が開いていないか(ダイニチ取扱説明書)
  • 換気の状態、じゅうたん敷きなど床や壁の材質(パナソニック取扱説明書)
  • エコ運転・静音運転になっていないか(ダイニチ取扱説明書)
  • 加湿フィルターに水アカやごみが付いていないか

加湿フィルターは汚れると加湿量が落ちます。お手入れは加湿フィルターのお手入れ方法、交換の判断は加湿フィルターの交換サインをご覧ください。施設の湿度管理は保育園・学校の湿度管理やビル管理の空気環境基準で解説しています。

乾燥シーズン前のフィルター準備

試算では多くの地域で12月から室内が乾きやすくなります。シーズン前にフィルターの状態を確認し、交換が必要なら11月中に用意しておくと安心です。当店では各社に対応する互換加湿フィルターを扱っています(加湿フィルター一覧、型番はシャープ・ダイキン/パナソニック・ダイニチほかの対応型番一覧)。全品送料無料、在庫品はご注文から1〜2営業日以内に発送します。

よくある質問

Q. 加湿器の湿度は何パーセントに設定すればいいですか?

厚生労働省のQ&Aが示す50~60%を目安に、建築物衛生法の範囲(40%以上70%以下)に収まるようにするのが一つの考え方です。

Q. 加湿器はいつから使えばいいですか?

湿度計で40%を下回ったら使い始めるのが目安です。気象庁平年値からの試算では、東京・大阪などは12月、札幌・仙台は11月から暖房した室内が40%を下回ります。

Q. 冬の湿度の平均はどのくらいですか?

気象庁の平年値(1991〜2020年)では、1月の屋外の平均相対湿度は東京51%、札幌69%、大阪61%、福岡63%です。暖房した室内はこれより大きく下がります。

Q. 湿度70%以上は高すぎますか?

建築物衛生法の上限は70%です。家庭に法的基準はありませんが、結露が続くようなら加湿を弱めてください。

Q. 学校や保育園の湿度の基準は?

学校環境衛生基準は「30%以上、80%以下であることが望ましい」としています(令和8年改正後も同じ)。

参考資料

※当店の商品は互換品であり、各メーカーの純正品ではありません。記載のメーカー名・型番は対応機種を示すためのものです。お手入れ方法は必ずお使いの機種の取扱説明書もご確認ください。