2026/10/27 19:56

加湿フィルターの商品説明でよく見る「抗菌」。実際にはどんな試験で確かめ、どの数値なら効果があると言えるのでしょうか。この記事では、繊維の抗菌性を調べる日本産業規格 JIS L 1902 の「抗菌活性値」の読み方と、当店の互換加湿フィルターに共通して使っている素材を第三者機関で試験した結果、そして「抗菌でもお手入れは必要」な理由をまとめます。

この記事の結論

  • 加湿フィルターの抗菌性は、JIS L 1902 の試験で「抗菌活性値」として数値で確かめられます。報告書に示された判定基準では、2.0 以上で抗菌効果ありとされます。
  • 当店の互換加湿フィルターに共通する素材を試験したところ、抗菌活性値は黄色ぶどう球菌で 5.8、大腸菌で 6.7 でした。
  • 抗菌は「フィルターの素材の上で菌が増えにくい」という性能です。水アカやカビ、においを防ぐものではないため、定期的なお手入れと交換は欠かせません。

出典:当店の互換加湿フィルターに共通する素材について、一般財団法人の繊維製品試験機関が JIS L 1902:2015(菌液吸収法)に基づいて実施した試験結果(2025年)。

加湿フィルター素材の抗菌性試験のイメージ図

図はイメージです(実際の試験機関・設備ではありません)。

JIS L 1902 とはどんな試験か

JIS L 1902 は、繊維製品の抗菌性を調べるための日本産業規格です。国際規格 ISO 20743 のもとにもなっています。代表的な方法の「菌液吸収法」では、次の手順で調べます。

JIS L 1902 菌液吸収法の4つの手順

  1. 試したい素材(試験試料)と、比べるための標準の綿布(対照試料)を用意する
  2. それぞれに同じ量の菌を含む液をしみこませる
  3. 一定の温度で18時間置いたあと、生きている菌の数を数える
  4. 対照試料と比べて、試験試料でどれだけ菌が増えなかったかを計算する

試験に使う菌は、黄色ぶどう球菌と大腸菌が基本です。どちらも身の回りにいる代表的な細菌として、抗菌性の評価に広く使われています。

抗菌活性値の読み方

抗菌活性値のものさし(2.0が抗菌効果の目安、当店素材は5.8と6.7)

抗菌活性値は、18時間後の菌の数を「対照試料」と「試験試料」で比べた値です。菌の数は桁が大きいため、10を何回かけた数か(対数)で表します。

抗菌活性値対照試料と比べた菌の数
1.0約10分の1
2.0約100分の1
3.0約1,000分の1
5.0約10万分の1

試験報告書には判定の目安として、JIS の抗菌効果は抗菌活性値 2.0 以上、繊維製品の SEK マーク認証の「抗菌防臭加工」は 2.2 以上と記載されています。

データで見る:当店の互換加湿フィルター素材の試験結果

18時間後の菌の数の変化の棒グラフ(アニメーション)

試験菌標準綿布の菌の増え方(増殖値)抗菌活性値
黄色ぶどう球菌2.55.8
大腸菌3.16.7

標準の綿布では18時間で菌が数百倍から千倍以上に増えた一方、試験した加湿フィルターの素材では、どちらの菌も測定できる下限まで減っていました。抗菌活性値は、判定の目安である 2.0 を大きく上回っています。

当店の互換加湿フィルターは、メーカーや型番が違っても、この試験と同じ素材を使っています。なお、試験結果は決められた条件での数値で、実際の使用環境での効果をそのまま表すものではありません。

抗菌でもお手入れが必要な理由

抗菌加工は、フィルターの素材の上で特定の菌が増えるのを抑える性能です。次のようなことまで防げるわけではありません。

  • 水道水のミネラル分が固まった白い水アカ(スケール)の付着
  • 水アカやほこりの上で起きる、カビや汚れの発生
  • タンクの水を入れ替えないことで起きる、においやぬめり
  • 空気中や水中の菌を取り除くこと(除菌)

水アカがたまると加湿量が落ち、においの原因にもなります。メーカーの取扱説明書にしたがって、タンクの水を毎日入れ替え、フィルターを定期的にお手入れしてください。お手入れの手順は「加湿フィルターのお手入れ方法」、交換のサインは「加湿フィルターとイオンカートリッジの交換サイン」で紹介しています。

「抗菌」表示を見るときのチェックポイント

  • どの試験方法(JIS L 1902 など)で確かめたか書かれているか
  • 試験した菌の種類と、抗菌活性値などの数値が示されているか
  • 試験したのは第三者の試験機関か
  • 「除菌」「ウイルスを防ぐ」など、試験内容を超えた表現になっていないか

互換加湿フィルター選びの注意点は「加湿器フィルターの互換品は大丈夫?」もあわせてご覧ください。

当店の互換加湿フィルター

シャープ・ダイニチ・パナソニック・日立などの加湿器・加湿空気清浄機に対応する互換加湿フィルターを取り扱っています。いずれもこの記事で紹介した試験と同じ素材を使っています。対応機種は各商品ページでご確認ください。

型番が分からない場合は「フィルターの型番の調べ方」をご覧いただくか、本体ラベルの型番を添えてお問い合わせください(平日10〜17時に返信します)。全商品送料無料です。

浄水カートリッジもあわせて点検を

加湿器の水アカやにおいが気になるご家庭では、キッチンの浄水カートリッジも交換時期を過ぎていないか、あわせて確認するのがおすすめです。浄水カートリッジは使うほど除去率が下がることが、当店の試験でも分かっています(「浄水カートリッジの除去率は使うほど下がる?」)。

よくある質問

Q. 抗菌フィルターなら交換しなくてもいいですか?

いいえ。抗菌性があっても、水アカの付着や素材の劣化で加湿量は落ちていきます。メーカーが示す交換目安や、加湿量の低下・においなどのサインを目安に交換してください。

Q. 抗菌活性値が高いほど良いのですか?

数値が高いほど、試験の条件で菌が増えにくかったことを示します。ただし、試験は決められた条件で行うもので、実際の使用環境での効果をそのまま表すものではありません。

Q. この試験結果は当店のどの加湿フィルターに当てはまりますか?

当店の互換加湿フィルターは、シャープ対応・ダイニチ対応・パナソニック対応など、どの商品も試験したものと同じ素材を使っています。形や大きさ、対応機種は商品ごとに違うため、各商品ページでご確認ください。

※当店の商品は互換品であり、各メーカーの純正品ではありません。記載のメーカー名・型番は対応機種を示すためのものです。対応機種は各商品ページでご確認ください。