2026/10/23 09:33
この記事の結論
加湿器のレジオネラ対策の基本は、タンクの水を毎日すべて水道水に換えてタンクを清掃し、ぬめりを残さないことです。2018年改正の国の指針で、家庭用加湿器の措置として示されています。
- レジオネラ症の届出は2006年434例→2024年2,428例(暫定・過去最多)
- 大分県の老人福祉施設で加湿器が感染源の集団発生(3名発症・1名死亡)
- 設備の加湿装置は使用期間中1か月に1回以上点検、年1回以上清掃
出典:厚生労働省告示第297号(2018年8月)、厚生労働省「介護現場における感染対策の手引き 第3版」、大分県資料、沖縄県衛生環境研究所の集計資料
冬の乾燥対策に欠かせない加湿器ですが、タンクの水の管理を誤ると、レジオネラ属菌が増える原因になることがあります。この記事では、厚生労働省の「レジオネラ症を予防するために必要な措置に関する技術上の指針」に2018年に追加された加湿器の項目、高齢者施設で実際に起きた事例、全国の届出数の推移をもとに、ホテル・介護施設・オフィスで冬に見直したい加湿器の衛生管理をまとめます。

レジオネラ症の届出数は約20年で5倍超に
レジオネラ症は、感染症法で全数の届出が必要な4類感染症です。人から人へは感染しません。感染症発生動向調査をもとにした沖縄県衛生環境研究所の集計資料(2025年9月時点)によると、全国の届出数は2006年の434例から、2024年は2,428例(暫定値)と過去最多になりました。

図:全国のレジオネラ症の届出数は、2006年の434例から2024年の2,428例(暫定)まで増えています。
厚生労働省の「介護現場における感染対策の手引き 第3版」(2023年9月)では、施設内の感染源として多いものに、循環式浴槽水、給水・給湯水とともに「加湿器の水」が挙げられています。
2018年、国の指針に「加湿器」の項目が追加された
レジオネラ症を予防するための国の技術上の指針は、2018年8月3日の厚生労働省告示第297号で改正され、「加湿器における衛生上の措置」の項目が新しく設けられました。改正のきっかけは、2017年度に高齢者施設で、加湿器内の汚染された水のエアロゾル(細かい水滴)を吸い込んだことが原因とされるレジオネラ症の事例が報告されたことです。
指針の内容は、大きく次の2つです(大分県資料・介護現場における感染対策の手引きの抜粋より)。
| 加湿器の種類 | 指針で示されている措置 |
|---|---|
| 家庭用の加湿器(据え置き・卓上など) | タンクの水は毎日完全に換え、タンク内を清掃する(水道水を使用) |
| 建物の空調設備に組み込まれた加湿装置 | 使用期間中は1か月に1回以上点検、少なくとも1年に1回以上清掃。使用開始時・終了時に水抜きと清掃 |
いずれも、タンクの中などに付着する生物膜(ぬめり)ができるのを抑え、取り除くことが目的とされています。
大分県の高齢者施設で起きた事例
大分県が厚生労働省の研修会で報告した資料によると、2017年12月から2018年1月にかけて、県内の老人福祉施設でポータブル加湿器を感染源とするレジオネラ症の集団発生があり、3名が発症し、うち1名が亡くなりました。居室の加湿器(超音波式)の水からレジオネラ属菌が検出されています。
資料では、発生の要因として次のような管理の不備が挙げられています。
- 水の交換にぬるま湯を使っていた
- 消毒をしていなかった
- 数か月にわたって24時間使い続けていた
- 十分な消毒・乾燥ができず、ぬめり(生物膜)ができやすい状態だった
施設は各居室の加湿器を撤去し、エアコンの清掃を業者に委託するなどの対応をとりました。特別な機器ではなく、日々の水の扱い方が分かれ目になったことが分かります。
冬に見直したい加湿器の管理(施設向けチェック)
仙台市・東京都などの自治体は、特に超音波式の加湿器は、タンクに水が長く残りやすく細かい水滴を放出するため、注意が必要だと案内しています。どの方式でも、基本は「水をためっぱなしにしない」「ぬめりを残さない」ことです。
| 頻度 | やること |
|---|---|
| 毎日 | タンクの水をすべて捨てて新しい水道水に換え、タンクをすすぐ |
| 取扱説明書の頻度で | トレイ・加湿フィルターの水あかやぬめりを洗い、乾燥させる |
| 使わない時期 | 水を抜き、清掃・乾燥してから保管する |
| 交換時期・異常時 | お手入れしてもにおい・ぬめり・水あかが取れないフィルターは交換する |
| 設備の加湿装置 | 使用期間中は1か月以内ごとに点検、1年以内ごとに清掃(建築物衛生法の特定建築物の場合) |
介護現場における感染対策の手引きでも、加湿器の種類にかかわらず、取扱説明書を確認のうえ「水の交換や機器・フィルターの清掃をこまめに行う」よう記載されています。加湿フィルターの洗い方は「加湿フィルターのお手入れ方法」で、メーカー別の手順を紹介しています。
なお、フィルターの交換周期を法律で定めたものはありません。交換の目安はメーカーの取扱説明書に従ってください。部品ごとの目安の違いは「ホテル客室の加湿空気清浄機 フィルター管理」でまとめています。
台数が多い施設は「交換の予定表」を
毎日の水替えは現場の作業ですが、フィルターの交換は予定を立てて進められます。機種ごとの交換目安と前回の交換日を一覧にしておけば、シーズン前にまとめて準備でき、交換の漏れも防げます。介護施設向けの考え方は「介護施設・高齢者施設の加湿器・空気清浄機」もご覧ください。
当店の対応商品
当店では、加湿器・加湿空気清浄機の互換加湿フィルターを取り扱っています。互換品も純正品と同じく、取扱説明書に沿ったお手入れが必要です。いずれも互換品で、各メーカーの純正品ではありません。
- ダイニチ H060520 互換 抗菌気化フィルター(HD-LX1020・HD-LX1220 など)
- ダイニチ H060518 互換 抗菌気化フィルター(HD-RX518・HD-5020 など)
- シャープ FZ-Y80MF 互換 加湿フィルター 枠付き(KC-L50・KC-G50 など)
- パナソニック F-ZXJV90 互換 加湿フィルター(F-VXK90・F-VC70XJ など)
そのほかは加湿フィルター一覧からご覧いただけます。
よくある質問
Q. 加湿器にぬるま湯を入れてもよいですか?
大分県の事例では、ぬるま湯での水の交換が発生要因のひとつに挙げられています。指針では水道水を使い、毎日完全に換えることとされています。お使いの機種の取扱説明書もご確認ください。
Q. フィルターを交換すれば水替えは不要ですか?
いいえ。フィルターの交換と、タンクの毎日の水替え・清掃は別の作業です。どちらも取扱説明書に沿って行ってください。
Q. 施設の加湿器の水は毎日替える必要がありますか?
レジオネラ症を予防するための国の指針では、家庭用の加湿器はタンクの水を毎日完全に換え、タンク内を清掃する(水道水を使用)こととされています。継ぎ足しではなく、すべて捨てて入れ替えるのが基本です。
Q. 超音波式の加湿器は特に注意が必要ですか?
仙台市・東京都などの自治体は、超音波式はタンクに水が長く残りやすく細かい水滴を放出するため注意が必要と案内しています。大分県の事例でも、居室の超音波式加湿器の水からレジオネラ属菌が検出されました。
Q. 加湿フィルターを交換すれば、タンクの水替えは不要ですか?
いいえ。フィルターの交換とタンクの毎日の水替え・清掃は別の作業です。お手入れしてもにおい・ぬめり・水あかが取れないフィルターは交換します。互換品(純正品ではありません)も取扱説明書に沿ったお手入れが必要です。
法人・施設のご担当者さまへ
ベスター本舗は茨城県日立市の株式会社ベスターが運営し、日本国内で検品してから発送しています。施設の加湿器のフィルターをまとめて交換したい場合は、機種と台数の一覧からお見積もりします。法人価格、請求書払い(株式会社ベスター発行の請求書による銀行振込)、サンプルについてもご相談ください。
詳しくは「法人・施設のお客さま」、ご相談は法人のお問い合わせフォームからどうぞ。
※当店の商品は互換品であり、各メーカーの純正品ではありません。記載のメーカー名・型番は対応機種を示すためのものです。対応機種は各商品ページでご確認ください。

