2026/10/23 09:31

この記事の結論

互換品は偽物ではありません。偽物は他社のロゴやブランドを無断で付けた商標権侵害品で、互換品は他社が独自に製造し、対応機種を示すためにメーカー名と型番を文字で書く合法な商品です。

  • 2025年の税関の輸入差止31,760件のうち92.1%が商標権侵害(財務省)
  • 商標法26条1項:用途の普通表示などには商標権の効力が及ばない
  • ただし品質は売り手次第。非純正バッテリー事故は10年で235件(NITE)

出典:財務省(税関の知的財産侵害物品の差止状況)、商標法、三菱ケミカル・クリンスイ(2025年11月発表)、公正取引委員会、NITE(2024年6月発表)

「互換品」と聞くと、偽物やコピー品を思い浮かべる方は少なくありません。しかし法律上、互換品と偽物(模倣品)はまったく別のものです。この記事では、ホテル・施設・オフィスで消耗品を選ぶご担当者さま向けに、純正品・互換品・模倣品の違いを、税関のデータやメーカー自身の定義、公正取引委員会の考え方をもとに整理します。あわせて、互換品にも品質の差があるという注意点と、売り手の確かめ方もまとめました。

互換品は偽物ではありません(説明図)

純正品・互換品・模倣品は何が違うのか

まず、3つの言葉の意味をそろえておきます。

種類だれが作るかメーカー名の使い方法的な位置づけ
純正品本体メーカー(またはその委託先)自社の商品として表示正規の商品
互換品本体メーカー以外の会社が独自に製造「どの機種に合うか」を示すために型番とともに文字で記載合法な商品分類(表示のしかたには決まりがある)
模倣品(偽物)不明な業者他社のロゴ・ブランドを自分の商品の目印として勝手に付ける商標権侵害など違法。税関の輸入差止の対象

この区別は、メーカー自身もしています。三菱ケミカル・クリンスイは2025年11月の発表で、模倣品を「クリンスイの純正品を真似した違法商品」、互換品を「他社が独自に製造した、クリンスイの純正品と互換性のある商品」と、別々に定義しています。

税関が止めている「偽物」の9割以上は商標権侵害

偽物の実態は、税関のデータを見るとよく分かります。財務省の発表によると、2025年に税関が輸入を差し止めた知的財産侵害物品は31,760件で、そのうち偽ブランド品などの商標権侵害物品が29,685件(92.1%)でした。品目別(点数)では家庭用雑貨が最も多く、その例として浄水器カートリッジも挙げられています。

「偽物」の正体は商標の冒用(2025年 税関での知的財産侵害物品の輸入差止)

図:2025年の輸入差止31,760件のうち92.1%が商標権侵害。偽物の中心は「他社ブランドの冒用」です。

つまり、偽物の本質は「ブランドの偽装」です。「本体メーカー以外が作ったこと」そのものが問題なのではありません。他社のロゴを付けて純正品のように見せかけることが、法律で禁じられています。

互換品がメーカー名を書けるのはなぜか

互換品の商品名に「シャープ対応」「FZ-Y80MF 互換」などと書かれているのは、どの本体に合うかを伝えるためです。商標法26条1項は、商品の用途などを普通に用いられる方法で表示する場合(2号)や、出所(どの会社の商品か)を示す目印として使っていない場合(6号)には、商標権の効力が及ばないと定めています。

ただし、「対応と書けば何でもよい」わけではありません。京セラのトナーカートリッジをめぐる裁判(大阪地裁 2017年1月31日判決)では、メーカーの商標が残ったまま、メーカーと無関係であることを十分に打ち消す表示がなかった再生品について、商標権侵害が認められました。プリンターに「指定のトナー」と表示させた点も、品質を誤認させる表示とされています。

このため、きちんとした互換品の売り手は、メーカーのロゴやパッケージデザインを使わず、メーカー名は文字で対応機種の説明にとどめ、「純正品ではありません」とはっきり書いています。

公正取引委員会・裁判所も互換品を「競争相手」として扱っている

互換品は、法律の世界でも正当な競争の一部として扱われています。

  • 公正取引委員会(2004年10月):プリンタメーカーが、技術上の必要性などの合理的な理由がないのにユーザーが再生品を使うことを妨げる場合は、独占禁止法上問題となるおそれがある、という考え方を示しました。
  • エレコム対ブラザー事件(東京地裁 2021年9月30日判決):互換カートリッジが使えなくなる設計変更について、互換品を市場から排除するおそれがあり、正当化理由も認められないとして、抱き合わせ販売にあたると判断されました。
  • 公正取引委員会の相談事例(令和2年度):一方で、非純正品を使ったときに「保証対象外」と表示すること自体は問題にならない、とされています。

反対にメーカー側が勝った裁判もあります。たとえばキヤノンのインクタンク事件(最高裁 2007年11月8日判決)では、使用済み純正品を加工したリサイクル品が特許権侵害とされました。適法な互換品は、メーカーの特許を侵害しない設計で作られていることが前提です。

正直な注意点:互換品の品質は売り手によって差がある

互換品という分類は合法でも、中身の品質は売り手によって違います。製品評価技術基盤機構(NITE)の2024年6月の発表では、非純正バッテリーの事故は2014〜2023年の10年間で235件、うち227件が火災でした。NITE は「互換バッテリー」などと称して安く売られている製品の中に、リスクの高いものが含まれると注意を呼びかけています。

また前述のクリンスイの発表では、模倣品・互換品による被害の問い合わせが2024年の1年間で1,000件を超えたとされています(模倣品と互換品の内訳は公表されていません)。同社は互換品をうたうカートリッジの性能を確認していない、とも明記しています。

だからこそ大切なのは、「互換品かどうか」ではなく「だれが、どんな根拠で売っているか」です。確かめ方は「互換フィルターの品質はどう見分ける?」で詳しくまとめています。

偽物を避けるためのチェックポイント

  • メーカーのロゴやパッケージを使っていないか:ロゴ入りで「純正品」と称する安い商品は要注意です。
  • 「純正品ではない」と明記しているか:互換品の売り手は、この表示をはっきり出しています。
  • 販売者の名前・所在地・連絡先が分かるか:特定商取引法に基づく表記を確認しましょう。
  • 対応機種が具体的に書かれているか:本体の型番とフィルターの型番の両方で確かめられると安心です。
  • 返品・交換の条件が書かれているか:合わなかったとき、不良だったときの対応を事前に確認します。

当店について

ベスター本舗は、茨城県日立市の株式会社ベスターが運営する互換フィルターの専門店です。当店の商品はすべて互換品で、各メーカーの純正品ではありません。メーカー名・型番は、対応機種を示すために商品名や説明に文字で記載しています。

商品は日本国内で検品してから発送し、お問い合わせには日本語で平日10〜17時に対応しています。対応機種に記載の本体で合わなかった場合は、未使用であれば到着30日以内に返品・交換を承ります(返送料は当店負担の適合保証)。不良や相違は到着30日以内のご連絡で交換・返金します。

FZ-Y80MF 加湿フィルター 枠付き シャープ対応 互換品 加湿空気清浄機 KC-L50 KC-G50 KC-F70(当店の互換品)

純正品と互換品の違いを家庭向けにまとめた「互換フィルターが届いたら最初に確認すること」もあわせてご覧ください。

よくある質問

Q. 互換品を使うと違法になりますか?

互換品を購入・使用すること自体は違法ではありません。違法になるのは、他社の商標を冒用した模倣品(偽物)です。

Q. 互換品を使うと本体の保証はどうなりますか?

メーカーが「非純正品の使用による故障は保証対象外」と案内すること自体は認められています。保証期間中の機器は、お使いの機種の保証書・取扱説明書をご確認ください。

Q. 互換品は純正品より性能が低いのですか?

互換品だから必ず劣る、とは限りません。ただし品質は売り手によって差があります。対応機種の明記、検品、試験の有無、保証の内容を確かめて選ぶことをおすすめします。

Q. 互換フィルターを買って使うのは違法ですか?

互換品を購入・使用すること自体は違法ではありません。違法になるのは、他社の商標を冒用した模倣品(偽物)です。当店の商品も互換品で純正品ではありませんが、メーカーのロゴは使わず、型番を文字で記載しています。

Q. 互換品と偽物はどう見分けますか?

メーカーのロゴやパッケージを使っていないか、「純正品ではない」と明記しているか、販売者の名前・所在地・連絡先が分かるか、対応機種が型番で書かれているか、返品・交換の条件があるかを確認します。

Q. メーカーが「非純正品は保証対象外」とするのは問題ないのですか?

公正取引委員会の令和2年度の相談事例では、非純正品を使ったときに「保証対象外」と表示すること自体は問題にならないとされています。保証期間中の機器は、お使いの機種の保証書・取扱説明書をご確認ください。

法人・施設のご担当者さまへ

ホテル・介護施設・保育園・オフィスなどで、複数の機種のフィルターをまとめて交換したい場合は、型番の一覧からまとめてお見積もりします。法人価格、請求書払い(株式会社ベスター発行の請求書による銀行振込)、見積書・納品書の発行、サンプルについてもご相談ください。

詳しくは「法人・施設のお客さま」のページ、ご相談は法人のお問い合わせフォームからどうぞ。

※当店の商品は互換品であり、各メーカーの純正品ではありません。記載のメーカー名・型番は対応機種を示すためのものです。対応機種は各商品ページでご確認ください。